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夢を与える仕事を夢の職業にしたい!~playgroundが目指す世界~

総合エンターテック企業 playground の伊藤圭史です。
前回のnoteでは、私が playground を立ち上げた経緯を書きました。

今回は、playgroundの事業内容と取り組んでいる背景を書きたいと思います。スポーツエンタメ大ファンの私が、ずっとこの業界に対して思っていることが少しでも伝われば幸いです。

「暇があるなら練習しろ」ってなに?スポーツ選手の仕事は試合に勝つことだけではない!

私が中学生のころ、オフシーズンにテレビ番組に出演したりファンサービスに出たりするプロ野球選手がいると、必ずと言っていいほど「本業は競技だろ!暇があるなら練習しろ!」といった趣旨の、野次と呼ぶには真剣すぎる長文投稿がネット上(当時はBBSや2chでした)に飛び交っていました。それに対し、選手もインタビューで「スポーツ選手である以上、勝つことが仕事なので頑張ります」みたいなことを言ってしまう。

当時(2000年頃)、ネットの民だった私は毎日のように板に張り付いていたのですが、このようなやりとりに強い疑念を持っていました。

純粋に勝利を追い求めるのはアマチュア。プロはファンにエンタメを提供して、その対価としてお金をもらうことが本分で、勝利はその一つの手段に過ぎないんじゃないの?

そんな想いで「ファンサも競技と並んで大事な仕事の一部。阪神の新庄剛選手やロッテのボビー・バレンタイン監督こそ本物のプロなんじゃないか?」といった投稿をしてみると、勝利至上主義な批判を大量に浴びたことを覚えています。
近年は世間が多少寛容になってきた一方で、それ以上にスポーツ選手による競技外の活動が活性化してきたこともあり、同様のやりとりを目にする機会が更に増えてきたように感じます。弊社に出資してくださっている本田圭佑選手もサッカー以外の活動が報じられると、「競技に集中しろ!」「副業ばっかりやって、練習していないだろ!」という批判コメントが大量にネット上に飛び交います。
そもそも論として「身体を休める時間がないと超回復しなくて逆効果」という筋トレマニア的ツッコミは他の方に譲るとして(笑)、“プロは憧れを提供するのが本分“という私の価値観で見ると「セカンドキャリアまで含めて人生全てを憧れられるような選手は、彼を除いて他にはいないんじゃないか。本物のプロってそういう人なんじゃないの?」って思ってしまうのです。
「プロだったらもっとファンを楽しませて、もっとお金儲けをするべきだ」という「スポーツは清貧であるべし」論調に対するアンチテーゼは、私の中で中学時代からずっと燻り続けていました。

「ファンが払った金どこ消えた?」の答えは「そんな金どこにもない!」

今夏、吉本興業がワイドショーを賑わせました。明らかに元の論点からズレているにも関わらず世間の注目が吉本興業への批判に一気に傾いたのは、大衆が抱いていた「芸人は吉本興業に搾取されているのではないか」という疑念と自らが抱く「自分は会社に搾取されているのではないか」という不満が重なったことが原因だったではないかと考察しています。

じゃあ本当に吉本興業が芸人から搾取しているのか、というと私が知る限りは全く逆。むしろ若手芸人とお笑いを求める世間のためという信条をもって、大赤字事業を必死に回している純粋で清貧な会社という印象です。

例えば、舞台で活躍する若手芸人の給料が少ないという問題。ぴあ総研の試算では、お笑い興行全体のチケット販売総額は約100億円です。吉本興業が公称している芸人は6000人なので、「実稼働率や人気の偏り、他事務所の存在は一旦無視する」という前提のものすごく乱暴な計算をしてしまうと1人当たりの売上は166万円。ものすごく高く見積もって出演料に3割割いたとしてもチケット売上から一人に払える平均金額は50万円/年に過ぎません。番組出演、営業などなどいろんな収入源があるとはいえ、少なくとも舞台中心の芸人に対してはどんなに会場を満員にしてもらっても全員が全員に満足な支払いなんてできるわけがありません。
キンコン西野さんの記事を読む限り、現実はもっと厳しいと見たほうが良さそうです。

実際、吉本興業ホールディングスの業績は上場廃止した2009年3月期で売上488億円、純利益6億円、上場廃止時の時価総額は525億円です。他業界の企業とシンプルに会社の金銭的価値だけで比較してしまうとZOZO 7700億円、メルカリが4000億円と正直比較にならないくらい小さい。その他の上場している大手事務所もアミューズが513億円、エイベックスが570億円と、3つの大御所事務所をあわせても時価総額ベースではZOZOの1/5にしかならない。この数字を見ると「え、そんなに儲かってないの?」と思う方がほとんどなのではないでしょうか。(あと個人的には、前澤さんすげー!って思います)
なので、今回の吉本興業騒ぎで多くの方が叫んだ「ファンが払った金どこ消えた。会社が儲けすぎだ。」という質問(?)への回答は「そんな金はどこにもない」が恐らく結論なんだろう、と思います。

これじゃ携わる人は浮かばれないしスポーツエンタメ業界はいつまでたっても発展しない。私が憧れた才能ある方々にはもっと儲かってもらい、その分もっと素晴らしいコンテンツを世の中に発信してもらいたい。これが私のplayground立ち上げに繋がる長年抱き続けてきた思いでした。

いまのスタジアムはストレスでいっぱい

「儲けよう」という観点でいうと今のリアルイベントは課題でいっぱいです。
スポーツエンタメファンを自認する人でも現場に足を運ばない人は少なくありません。特に子育てが始まると極端に減ってしまうのは各種統計データに如実に出ています。理由を聞くと「テレビ観戦で充分だから」「アクセス/混雑が大変だから」といったコンテンツそのものの評価とは関係ないストレス要因が次々と出てくる。
私自身、それなりに現場に足を運んでいるとはいえ、正直エアコンガンガンゆったりソファー席で美味しいご飯まで楽しめる、「テレビの前のSS席」という揶揄に納得する部分が多くあります(というか、スポーツ観戦では割と推奨しています)。
実際、スタジアム体験を振り返るとチケット購入は大変だしコンビニで発券するのも面倒。電車で長時間移動し到着したと思ったら、友だちが遅れるというのでゲート前で待ちぼうけ。食事行くにもトイレ行くにも大行列に並ばないといけなくて、帰宅時は通勤ラッシュ以上の大混雑。実際に試合を見ている時間と比較すると半分以上がストレス時間なんじゃないか、と考えさせられます。

これじゃあ、とてもじゃないけど儲からなくて当たり前ですよね。

伊藤さんノート


デジタルを使えば興行はもっと盛り上がってもっと儲かるはず!

実は私がplaygroundの事業を検討し始めたきっかけは、前の会社を経営していたときにスポーツ・エンタメ業界の方々から「いま御社が小売業で展開している技術・知見をこっちの業界でも使えませんか」といった相談をいただくようになったことでした。

私はplaygroundの前に、実店舗のデジタル化、オムニチャネルと呼ばれる領域でシステム開発とコンサルティングサービスを提供する会社を経営していました。当時、オムニチャネルの専門家として色々な場に登壇させていただいたり、記事を連載させていただいていたのですが、その中で前述のようなお声がけをいただくような機会が幾度かあったのです。
当時、海外の小売業を見て日本の小売業は5年遅れていると感じていましたが、スポーツ・エンタメ業界を見てみると更に5年遅れているな、という印象でした。例えば、チケット流通の構造は5年前のファッションECととても似ているし、スタジアムのデジタル化も実店舗のデジタル化ととてもよく似ています。(ちなみにスポーツエンタメ業界で比較すると私が巡っている限り、欧米各国も大して進んでないな、という印象です)

こういった他業界のデジタル化の知見を持ち込めばスポーツエンタメ業界の収益性向上に寄与できるのではないか、と考えた私は、オムニチャネル領域で活躍していた方々を誘って新しい会社を立ち上げる決断をしました。

夢を与える仕事が夢の職業になる世界を実現したい

今の日本のスポーツエンタメの仕事は、誤解を恐れずに言うと「楽しいけど儲からない職業」です。高収入ランキングの上位には見当たらず、(プロ野球を起点に徐々に変わってきてはいますが)エリートコースと呼ばれることもありません。一見とても儲かっているように見える表舞台に立っている人たちも、現役時代に一生分を稼げることは少なく、一握りの大成功者を除いてほとんど全ての人たちがセカンドキャリアに悩んでいます。人に夢を与える仕事をしている人たちが一番将来を憂いているという極めて不健全な状態です。

私は、衣食住を賄う仕事が「生きるための仕事」とするならば、スポーツエンタメは「人生に生きる意味を与える仕事」と捉えるべきと考えています。アートや家族などと同様、人が生きている期間を単に息をして食べて寝る時間として過ごすのではなく、夢や希望、喜びに溢れ、彩りあるものに変えてくれる極めて大事な存在です。

その夢と喜びを作り出す人たちには、表舞台に立つ人も、その舞台を作り上げる人も、舞台の中だけではなく人生として、キャリアとして、憧れられるべきと考えています。

playgroundはその実現に向け、デジタルのちからでスポーツエンタメをもっと盛り上げ、スポーツ庁の目標と同様、まずは2025年までに業界の市場規模を現在の3倍に拡大し、従事する人みんなが一流企業に匹敵する報酬がもらえる仕事にしたい。子どもはもちろんのこと、大人になっても夢の職業と憧れてもらえる仕事に引き上げるお手伝いをしたいと考えています。

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電子チケットを起点に顧客体験にデジタル施策を提供する

playgroundの創業事業は電子チケット発券サービス 「Quick Ticket by MOALA」でした。創業当時はよく「チケットの会社ですよね?」とか「不正転売防止の流れですよね?」と聞かれていたのですが、実は私の頭の中はずっと「スタジアム版のAmazon Go」のイメージでした。暑くて混んでて待たされて、帰るのも大変なスタジアム体験ではなく、Amazon Goのように快適でワクワクする次世代のスタジアム体験を実現できたら、もっと気軽に足を運び、もっと選手たちのためにお金を使ってもらえるのではないか、という発想でした。

弊社がそのための初手として「ブラウザ版の電子チケット発券 x SNSログイン」という極めて小さなサービスを提供したのは、全てを差し置いて「顧客接点構築のハードルを下げること」が大事だと小売業時代に痛感していたからでした。たかだか年1回とかしかいかない興行のために「専用スマホアプリダウンロード、ID登録、使い方の勉強」というハードルを超えてくれる人は極めて限られていますし、利用人数が少なければ効果が上がらないので興行側が提供するサービス品質も下がっていく負のスパイラルに陥ってしまいます。故に、弊社ではより技術的ハードルが高いことは承知の上で、ユーザービリティ重視のサービス設計に挑戦することを選択しました。

この初手は弊社の実感としては今のところ非常に上手くいっていて、弊社の独自調査ではスマホアプリで電子チケットを提供した場合と比較し Quick Ticket は選択率が4倍高く、また複数枚チケットを購入した人が友だちに渡す率も8割超とスマホアプリでは達成しえないであろう数値を記録しており、このままいけば遠くない未来に、「Quick Ticket さえ導入すれば来場者全員と繋がれる」というCRM戦略上、夢のような状態を実現できると確信しています。
次のステップはこの顧客接点を収益向上につなげること。全てをデジタルで繋ぎこむことでスタジアムの収益性を高めていく取り組みを、我々は”コネクテッドスタジアム”と呼び、それを実現するためのサービスとして「コネクテッドスタジアムサービスMOALA」を開発しています。まだまだ発展途上ではありますが、一つずつクリアして、数年以内にはと言ってもらえるような存在になりたいと思っています。

私たちが頑張るまでもなくライブエンタメ市場は10年で60%成長しており、そのポテンシャルは証明されています。また、日本のスポーツ関連市場は5兆円と言われているのに対し、(市場計算方法が違うので一概には言えませんが)米国のスポーツ産業は55兆円と10倍以上引き離されていると試算されています。人口ベースでは3倍しか離れていないことを考えるとスポーツ庁が掲げている2025年までに3倍の15兆円という目標はおろか、20兆円くらいなら全然行けちゃうんじゃないか、と感じられます。
プロ野球で二軍生活を10年続けた選手の所得は8000万円程度と言われています。単純計算ではありますが、プロ野球選手の年俸を3倍にできれば、2軍で10年暮らした選手でも年俸3億円弱となり、一流企業での生涯年収を30歳ソコソコの段階で貰えることになります。これならプロ野球選手が本当の意味で「憧れの職業」になり、活躍できず戦力外を受けた選手が露頭に迷ったり、有力ドラフト候補選手が一流企業への就職と悩む余地が大幅に減ります。
そんな風に、この業界に関わる全ての人が憧れの存在になるよう、頑張っていきたいと思います。

「チームメイトになっていただけませんか」

創業からまもなく2.5年。playground では次の成長に向けて採用を強化しています。
我々の挑戦の意義に共感いただき、興味持っていただけた方はぜひ一度お気軽にご連絡いただけると幸いです。
「夢を与える仕事が夢の職業になる世界の実現」を目指して、文化祭のようにひたむきに打ち込む日々をご一緒できる日を楽しみにしております。

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募集ポジション一覧
サーバーサイドエンジニア
コンサルタント・SI
長期学生インターン(エンジニアサイド・ビジネスサイド)



ありがとうございます!
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デジタルの力でスポーツ・エンタメ業界を盛り上げる総合エンターテック企業、playground株式会社の公式noteです。コネクテッドスタジアムプラットフォーム「MOALA(モアラ)」とマーケティング支援サービスを提供しています。